「なんや、唇にチューの方が良かったん?」
「そんなわけないでしょッ!」
「ホンマかわええなぁ~。いっその事、俺の彼女にならへんか?」
「なるわけないでしょ?!私には『なにをしている』ッ?」
突如、後ろからかかる声にビクリと肩が揺れた。
いつもとは違う冷たい声色のこの主に、聞き覚えがある。
「蓮ッ!」
声をかけてきた人物が逆光で分かりづらいけど、太陽の光を浴びて眩い輝きを放った金色の髪ですぐに誰だか分かった。
この学園の生徒会長であり私の彼でもあるその人だった事に、ホッと息をつく。
私の腕をグイッと引き寄せ、蓮の背に京極さんから私を隠すように背後にまわされた。



