…と思ったが、それは虚しく空を切る。
へ?
さっきまで目の前にあった筈のから揚げが、
ない---
横を見ればモグモグと鏡夜が、何かを食べているのが目に入った。
そして鏡夜の口元には何故か、さっきまで私の目の前にあった時雅先輩のフォークを銜えている。
「ごちそうさま~」
「何故、あなたが食べるのです?これは綾香に食べて欲しかったのに」
「………」
時政先輩に睨みつけられている鏡夜は、そんな事はまるで気にしてませんというようにフォークをつき返した。
それを無言で受け取った時政先輩の事などお構いなしに、自分の目の前にあるピザを手で摘み食べ始める。
口いっぱいにピザを頬張った鏡夜は今だに睨みつけている時政先輩に、何故か勝ち誇ったような表情を向けてきた。
それを見た時政先輩のコメカミから、青筋がピキッっと出る。
こ、怖い---



