紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



暫く皆と雑談していたら、マスターが私の横に立った。


ふんわりと美味しそうな香りと共に---



そしてマスターが私の目の前に、ぺペロンチーノを置いてくれた。


この香りにつられるように、私のお腹がグーッと鳴る。



チラリとお店の時計を見てみれば、もう七時半。


お腹も鳴るのも無理はない。


恥ずかしいな…と周りを見たけれど、マスターが次々に持ってきてくれるご飯に皆は気を取られていて、誰も私のお腹が鳴った事に気づかなかったようだ。



良かった---


ホッと撫で下ろしているうちに、皆の前に全てのご飯が並ぶ。



うん、どれも美味しそう。


ほんと、ここがバーだとは思えない。



一体マスターは、どこを目指しているのだろうか?


そう思わざる得ない程の出来ばえだった。



一通りみんなのご飯に目を通したところで私達のテーブル横に来ていたマスターが、そう言えば…と口を開く。