「こちらで夕飯を食べませんか?」
「あ、そうだね。帰る頃には寮の食堂、しまってるもんね」
一枚の文字ばかりが並んだメニュー表を見ると、メニュー内容はどこにでもあるようなものがズラリと並んでいる。
サンドイッチやスパゲッティ、グラタン等々---
何かバーと言うよりは、喫茶店っぽい感じだな。
「綾香、今日はお兄さんが何でもおごるから好きなの食べていいぞ」
「へ?」
お、お兄さん?
何とも間抜けな声を出しながらマスターに目をやると、ニッと笑ったマスターと目が合った。
「へー、今日はマスターのおごりかぁ。なら、俺は」
「ダメだ。綾香だけ」
「えー、差別だ差別だぁ~」
「うるさいぞ朱雀」
朱雀?
…あぁ、そう言えば朱利はチーム内で朱雀って呼ばれてるんだっけ。
そんな事を思い出しながらメニュー表とにらめっこ。
鏡夜がマスターに嬉々として自分の注文したい物を言おうとしたけどすぐにマスターに断られ、すかさず朱利が口を尖らせながら文句を並べたてた。



