キョロキョロと辺りを見ていると、ふいに視線を感じた。
何だろ?
…と、そちらに顔を向ける。
視線のその先にいたのは先程、マスターと呼ばれていた男だった。
厳つい体つきにと顔から判断して、三十代前半くらいに見える。
そう見えた…のだけれどこっそりと耳打ちしてきた鏡夜先輩の話しによると、マスターはまだ二十代半ばとの事だ。
うん、驚いた。
見た目より若いんだね。
「お帰り」
「た、ただいまっ」
ニッコリと目を細めたマスターに言われ、背筋を伸ばしながらそれに返事を返す。
するとこっちへ来いとでも言うようにクイックイッと手で促された。
え?私?
指で自分を指し示すと、うんうんと頷くマスターに首を傾げながらマスターの傍まで近寄った。
カウンター前まできた私は首をコテンと倒す。
すると何故か、マスターに頭を撫でられてしまった。



