「そんなに怒んなや良牙ちゃん。わざわざ起こしてやったんやで」
「あんな起こし方されたら死ぬわ、ボケッ」
「フンッ。口の悪い犬やな。すぐ沈められたくせに何や、偉そうに」
「な…、何で知ってるんだ?」
驚いている良牙を見て馬鹿にしたように鼻で笑った京極さんは、私達に背を向けもう用はないとばかりにさっさと扉を開けて出て行ってしまった。
後に残されたのは私と良牙---
「えっと…、良牙?」
「………」
話しかけると一瞬、私を見たがすぐに視線を逸らされてしまった。
そして何故だかバツの悪そうな顔をしながらまた私をチラッと見ては、視線が合うとパッと顔を背けてしまう。
「良牙?」
もう一度、名前を呼んでみた。



