「今の…、見たやろ?」
「………何を?」
「なんやと思う?」
「………私が見たのはルキアさんと瀬谷君ではない、黒い二つの影が走り去っていったところ」
私の言葉にクッと笑い、また地上へと視線を戻す。
「で、その走り去ったのが何だったか、見えんかったんか?」
「………」
その言葉に先程私が見た場面をもう一度、思い出す。
さっき私の目の前で、ルキアが突然、屋上から飛び降りた。
そしてそれに続くように瀬谷君も屋上から戸惑いもなく落ちていったのだ。
驚いた私は一瞬呆けていたけどハッと頭を切りかえ、そして急いで屋上から下を見下ろす。
すると…、
落ちたルキアと瀬谷君の姿はどこに行ったのか跡形もなくなっていた。
二人はどこに行ったの?
するとすぐ動く何かに気付き目を向けると、黒い二つの影が森の中へと走り去っていくところだった。



