「ホンマや。それまで何もせんとジッとしときぃ言うてたで。」
「…………。折角、捉まえたのにこれどうするのよ?」
「そんなんほっといてはよ行くで。もうすぐで…」
バタンッ---
屋上の扉の開く音がしてそちらに目を向ける。
驚いた表情でこっちを見ているものだから、不快さが一変、口元が綻ぶ。
「あら、なーに?」
「どう言う事よ?」
「クスッ。なーにがぁ?」
目を吊り上げながら私の横で倒れている良牙をチラチラと見ながら、私を睨み付けて来たその人物に目を細め笑いかけた。
そんな私の態度が気に入らないのか、ムッとした顔で食ってかかって来ようとするその態度に更にそいつに笑みを向けてやった。
ホンと…、
殺してやりたいほど、ムカつく女---
これ以上、この女と話していたくはない。
そう思った私はその女に背を向けた。



