「恢………」 ドキンッ--- 思わず呟いてしまった恢の名前に、鼓動が大きく鳴った。 研究所を爆破してから、ずっと行方不明だった恢。 その恢を偶然にも先日、蓮とのデートの時に見かけた事を思い出す。 あの日からずっとそう…、 恢を思い出すたびに胸が切なくなるのだ。 思わず首を振った。 「思い出すからいけないんだよね…」 だからこれ以上思い出さないように…、と瞳を閉じた。