紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



「恢………」



ドキンッ---


思わず呟いてしまった恢の名前に、鼓動が大きく鳴った。




研究所を爆破してから、ずっと行方不明だった恢。


その恢を偶然にも先日、蓮とのデートの時に見かけた事を思い出す。





あの日からずっとそう…、


恢を思い出すたびに胸が切なくなるのだ。




思わず首を振った。




「思い出すからいけないんだよね…」


だからこれ以上思い出さないように…、と瞳を閉じた。