紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



「………ッ!」


そう思った時だった---




良牙の気が一瞬、大きく揺れたのを感じたのだ。




屋上で何かあったの?




瀬谷君の事は…、


凄く気になる---




でも…、それよりも良牙の事が心配で私の足は自然と走り出した。



瀬谷君の横をすれ違う時、強い視線と絡まりあう。


…しかしそれはすぐに外され、瀬谷君は私から顔を見えないように横を向いてしまった。




それを一瞥しながら、私はすぐにその場から走り去る。



この人の抱えてる闇を今一瞬だけだけど、触れたように感じた。




瀬谷君が何を抱えているのかは、よく分からないけど…


でもそれはとてつもなく、大きいもののような気がした。



それに私がむやみやたらと踏み込んではいけないよな…、そんな感じのもの。




気になった瀬谷君を振り切るように私は首を振り、そして目指す屋上へと意識を向ける。




今は自分の双子の片割れ、良牙を気にしなくては---




前を見据え、キッと睨み付けた。