「………ッ!」
そう思った時だった---
良牙の気が一瞬、大きく揺れたのを感じたのだ。
屋上で何かあったの?
瀬谷君の事は…、
凄く気になる---
でも…、それよりも良牙の事が心配で私の足は自然と走り出した。
瀬谷君の横をすれ違う時、強い視線と絡まりあう。
…しかしそれはすぐに外され、瀬谷君は私から顔を見えないように横を向いてしまった。
それを一瞥しながら、私はすぐにその場から走り去る。
この人の抱えてる闇を今一瞬だけだけど、触れたように感じた。
瀬谷君が何を抱えているのかは、よく分からないけど…
でもそれはとてつもなく、大きいもののような気がした。
それに私がむやみやたらと踏み込んではいけないよな…、そんな感じのもの。
気になった瀬谷君を振り切るように私は首を振り、そして目指す屋上へと意識を向ける。
今は自分の双子の片割れ、良牙を気にしなくては---
前を見据え、キッと睨み付けた。



