さて、
良牙は一体どこに行ったのだろうか?
良牙の気配を探りながら早足に、赤い絨毯の廊下を歩く。
「え?」
すぐ辿り着いた階段の踊り場で、ギクリと身体を強張らせた。
「………」
「な、何してるの?」
そこにいたのは…
ルキアと共に入学する予定の瀬谷慎だった。
壁に寄りかかりながら佇んでいる、瀬谷慎---
私の発した声を気にする事なく前髪をギュッと掴み、俯いていている。
表情は髪を掴む腕と長い前髪に隠れてしまっていて、よく見えないけれど…
瀬谷君からは酷く底冷えする程の気を発せられていて、背筋がゾクッと震えた。



