あぁ、そっか…
良牙によって開け放たれたままだったその扉から入ってきたのだと納得したところで、すぐに鏡夜が今言っていた内容を反復し、そして絶句する。
はい?
良牙がルキアと噂があった?
あれ?
でも蓮とルキアって中等部の時、付き合っていたんだよね?
それなのにどうして良牙と噂が出るのよ…
納得いかなくてジットリと鏡夜を目を細めて見据えると、あぁ…と何とも歯切れの悪い言葉が聞こえてきた。
「時政先輩?」
「いえ…。何でもないですよ」
一瞬困った顔をした時政先輩が、すぐに綺麗な笑みを浮かべる。
何とも取り繕ったようなその表情がまた、ウソくさくでイヤだ---
まるで良牙とルキアの間に何かあったとでも言うかのようなその表情に、私の眉が寄る。



