「あなた昨日、恢に会いに行ったでしょ?」
「ッ!」
その言葉に私の肩がビクッと揺れた。
蓮から…、鋭い視線を感じたのが分かる。
ここで何も言葉にしない方が余計、怪しいと思われてしまうから何かしら口にした方がいいはずなのに…
別に恢とはなんでない…、そう言葉にしようとしたのに声が出なかった。
ただ、会っただけなのにどうして---
やましい事はなにもない。
「何か言ったら?何も言わないと、どんな関係か怪しまれちゃうわよ」
「…会ったけど、別に怪しいようなこと何もしてない」
チラッと蓮を見る。
もう私の事などどうでもいいと思っているのか、視線は手元の資料へと向けていた。
まるで興味ないとでもいうその態度に、胸がツキンと痛む。



