「くすっ…、興奮しているの?これくらいで可愛いわねぇ」
「………」
ルキアさんの瞳が楽しげに私を見つめる。
その視線の先は…、
私の瞳---
きっと今、私の瞳は紅色に変わっているのかもしれない。
ううん、きっとそうだ。
だってかなり感情が高ぶっているのが、自分でも分かる。
…この人は変化した私の瞳を見ても驚かなかった。
もしかしてこの人は---
感じた同族の香りにあらためてルキアさんをジッと見る。
ボブスタイルのゆるふわな髪型で毛先は柔らかいコスメパーマ。
髪色は、ヌーディオリーブベージュ色---
艶やかな色気を醸し出し、小悪魔風な目元にプルンとした唇はどこか妖艶で魅惑的で…
男をたぶらかす事この上ない感じのこの美貌。
なんかムカつく---
でも…、
そんな美人なルキアさんを目の前にしても、蓮は特に気にする素振りもなさそうだ。
心の底でひっそりと、安堵する。



