「いいからどけ」
「………はーい」
蓮の顔をチラッと見たルキアはフフッ…と笑みを見せてから、素直に蓮の首に回していた腕をどけた。
怖い顔をしている蓮を見て、私の高ぶった気持ちがほんの少しだけ落ち着く。
連自身、抱きつかれてもそれ程喜んでいる節はないみたいだ---
それに少しだけ気を良くしたけど、頭の中ですぐに首を振る。
別に私が単純だから、すぐに気を良くしたわけじゃないもん。
ちょっと自分に言い訳けしながらも、二人の様子を今だジットリと見る。
蓮に嫌がられているのに、微笑みを浮かべるルキアさんに驚いた。
そんな私に気付いたのかルキアさんの視線が、蓮から私へと向け視線が交わる。
そして…、
凄く上から目線で笑みを向けられた。
むうっ---
この人は私を怒らせたいのだろうか?
そんな気がする…
折角、落ち着いてきた気持ちがまた苛立ち始める。



