紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



「いいからどけ」


「………はーい」



蓮の顔をチラッと見たルキアはフフッ…と笑みを見せてから、素直に蓮の首に回していた腕をどけた。


怖い顔をしている蓮を見て、私の高ぶった気持ちがほんの少しだけ落ち着く。




連自身、抱きつかれてもそれ程喜んでいる節はないみたいだ---


それに少しだけ気を良くしたけど、頭の中ですぐに首を振る。




別に私が単純だから、すぐに気を良くしたわけじゃないもん。



ちょっと自分に言い訳けしながらも、二人の様子を今だジットリと見る。


蓮に嫌がられているのに、微笑みを浮かべるルキアさんに驚いた。



そんな私に気付いたのかルキアさんの視線が、蓮から私へと向け視線が交わる。




そして…、


凄く上から目線で笑みを向けられた。




むうっ---


この人は私を怒らせたいのだろうか?



そんな気がする…




折角、落ち着いてきた気持ちがまた苛立ち始める。