紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



歩きながら考えるのは先程、生徒会の面々が顔を出す中で一向に顔を見せなかった生徒会長、一条 蓮の事。




私の彼氏でもある蓮は先程、私が近くいたという事は気付いていたはず。


それなのに顔を出さなかったのはきっと、生徒会の仕事が忙しかったからなのだろうな---





それは分かってる。




理解はしているけれど…、


少しくらい顔を出してくれてもいいんじゃない?






「ふー…」



息を大きくはき出した。


苛立った気持ちを、少しでも払拭したかったから。




蓮は生徒会の会長をしながら、焔龍チームの総長までしている現二年生。



実はそれだけではなくなんと、学生ながらに会社経営までしているのだ。


勿論、親の会社ではなく自分の力だけで設立。




蓮の親は一条製薬の社長をしているが、蓮は現在父親に勘当されている身。


三人兄弟の二番目である蓮の一番上の兄は、父親の下で次期社長となる為、今は修行中…らしい。




そして蓮の弟は昔、動物の遺伝子を投与され亡くなってしまったと聞いた事がある。