紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



「生徒会長に聞いてはいかがです?多分、知ってるはずですよ?」


「蓮も知らないみたいです」


「そうですか…。もしかすると急遽、転入が決まったのですかしらね?…それとも素性を知られたくない…、とかでしょうか?」



どうなのかな?


私も静香さんも章吾も考えていると私の前からズルズルと音が聞こえてきて、その音を出している人物に呆れたように睨みつけた。



「良牙…、あなたも考えてよね」



私の言葉にうどんを口に銜えたままチラリと上目遣いで見上げてくる良牙が可愛く見えて、つい頬が緩みそうになったけどすぐに顔に力を入れて表情を元に戻す。


そんな私の一連の表情をジッと見ていた良牙はズルッと一息でうどんを食べた後、もぐもぐと口を動かし飲み込む。


そしてまた私を、ジッと見てきた。




「別に転入生なんて知ろうが知るまいがどうだっていいだろ。どうせ俺達の知らねぇヤツなんだしな」


「…それがそうでもないみたいだよ?」


「は?」



俺達の知ってるやつなのか?


…と、箸を銜えながら私に聞いてくる。




ちょっと、良牙。


あなた行儀が悪いよッ!



睨みつけるとフンッと鼻を鳴らしながら箸を置き、そしてもう一度私を見てきた。