「良牙もカレーうどん?」
「…牛丼もつけるけどな」
うん、やっぱり私達は双子なんだなと改めて納得しながら注文するため、画面をタッチ。
結構な頻度で私と良牙は頼む物が被る事が多い。
しかも私と良牙の選ぶ食べ物といったら、庶民的な食べ物ばかり。
最初の頃はかなり驚いたけど今はもう、当たり前のように受け入れてるからあまり驚きはしない。
良牙もそうみたいで、特に気にする事なく私が画面を弄っているのを何となく眺めているだけだ。
「綾香様と良牙様ってあまり似ていませんがこうして同じ品物を選んだりするのを見ますと、やっぱり双子なんだなって思いますわね」
「そうだね。よく良牙と意見が被ったり同じ言葉をハモッたりする事が多くてびっくりするよ」
クスクスと口に手を当てて楽しそうに笑っている静香さんに、私も笑いながら答えた。
そうこうしているうちに、私と良牙の目の前にご飯が置かれる。
うん。
高めの値段なだけあって、高級感溢れるカレーうどん---
…安くて良いから普通のカレーうどんがいいなぁ。
一口食べてみるとやっぱりどこか高級料亭風のお上品なカレーうどんに、思わず苦笑いしてしまった。
目の前で食べている良牙も何か少し腑に落ちないような表情で食べているからきっと、私と同じ事を思っているんだろうななんて思いながらズルズとうどんを啜る。



