紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



「もしお邪魔じゃなかったら、一緒に食べてもいいかな?」


「嬉しいですわ。御一緒に食べましょう」



ふふふ…、と微笑みながら自分の隣の空いている席を引き、私を招き入れてくれる。


それにありがとうと、礼の言葉を述べてから席に座った。


良牙は静香さんの前の席に座っている章吾の隣の席に座る。



私も空いている席に座り、何となく前を見たら章吾と目が合った。


目を瞬きながらも軽く頭を下げるとそんな私に章吾は軽く笑み、そして丁寧に頭を下げる。



そしてすぐに視線を自分の目の前のご飯へと戻した章吾は、卵焼きに箸を伸ばしパクついた。


真面目そうな顔で食べてはいるけど、口元はかなり綻んでいる。


きっと美味しいんだろうな…



章吾は感情をあまり顔には出さないけど、よく見るとそんな事はない。



今みたいに---