先生の姿が教室から見えなくなってからチラリと、隣の席に座っている双子の片割れに目をやってみる。
そこには机の上にうつ伏せになって、スヤスヤと夢の中の住人となっている良牙がいた。
さっきまで起きていたのに、いつの間に---
唖然と良牙を見ながら何となく先程HRで決めた、『中国茶専門喫茶』について考えを廻らせた。
「チャイナ服…、ねぇ」
私も着るのかな?
着た事がないから興味はあるけど、私は裏方がいいよね…。
私を狙う奴等が文化祭に紛れて込んでくるかもしれないから、目立っちゃまずいだろうし。
テスト明けから二週間後に行われる文化祭。
私はその二週間と言う期間の間ずっと、生徒会室に通い詰めになるのだろう…。
だからクラスの手伝いには中々顔を出せない。
それが少し残念に思うけど、私は私でやるべき事はしっかり頑張らなくちゃね。
そう心の中で強く思っていると、いつの間にか一時間目の始まりのチャイムが鳴っていた。



