「私の家は茶葉を主とした貿易をしておりますので、親に頼めば格安で提供してくれるかと思います。今、中国茶が流行っているので『中国茶専門喫茶』なんていかがでしょうか?」
「私も中国茶好きだし、良いいいと思います!じゃぁ接待はチャイナ服で決まりだね」
有野さんの言葉に皆が快く賛成し、拍手まで沸き起こる。
すぐに決まってしまった事に、少々呆気に取られてしまったけど…
楽しそうな顔をする皆を見ていると、私までわくわくしてくるから不思議なものだ。
うん。
文化祭、今から凄く楽しみになってきた。
「あー…、じゃぁこのクラスは『中国茶専門喫茶』で決まりでいいな。放課後のHRはそれについての細かな取り決めをする。…あぁそうだ。申請して却下される場合もあるから、第二候補・第三候補も取り合えず決めておけ。…………以上だ」
そう言った佐伯先生は、フラフラしながら教室を出て行った。
あんなにフラフラで、授業出来るのかな?
覇気のない先生の背を見ながら、ひっそりと溜息を零した。



