「良牙…、助けに来てくれてありがとう」


「俺の大事な双子の片割れだ。助けるのはあたりまえだろ」


「ん…、でもさ。凄く嬉しかった」



こうして話せた事にもね---


そんな私の言葉なんて気している素振りを見せる事なく歩いている良牙は、そのまま真っ直ぐ前を見ている。




でも…


テレているのはすぐに分かった。




大事な双子の片割れ---


良牙はそう言ってくれた。



そして私もそれは当たり前のように思っている。




良牙と同じ気持ちである事が分かって凄く嬉しくて嬉しくて…、




やっぱり目頭が熱くなってきた。




朝は目の前の雨を見てると憂鬱で気持ちが落ちていたけど、今は違う。



その雨が不思議と優しく感じた。