「ううん、行くよ」 「………そうか」 「ん、………じゃぁまた」 手を振ると恢も一瞬だけだけど、軽く手を上げてくれた。 そしてすぐに私に背を向け歩き始める。 行き先は勿論先程までいた、珈琲茶館 月輝であろう。 その背をジッと見てから私も良牙と一緒に歩き始めた。 「向こうにバイク止めてるから」 「うん」 良牙に促され、曲がり角を左に曲がる。 さっきまでは自分が狙われていると思った途端、不安にかられたけど、良牙のその温かい手の温もりが心地よくて気持ちも和らいできた。