「やはりお前は狙われているようだな」
「………」
多分、学園を出た時からずっと私を付け狙っていたのかもしれない…
そんな事に全く気付かなかった私は、それ程までに恢を気にしていたようだ。
「綾香を?…って事は一之瀬製薬か?」
「多分な……。銃を使ったのはそれくらいしないと綾香を捕まえられないと思ったんだろう」
「それで死んじまったらどうすんだ」
「それくらいじゃ、死なないとでも思ってんだろ。良牙、お前もつけられていたんじゃないか?」
「俺?…学園に置いてあったパイクにすぐ乗っちまったから気付かなかったぜ。それよりなんで、綾香と恢が一緒にいるんだよ」
「えへへへへ…。偶然…かな?」
説明するのが面倒な私は、思わずごまかし笑いをしてしまった。
そんな私を訝しげに眉を寄せ納得しない顔をしながらも、ふーん…と言いながら頷いてくれる。
良牙はあまり詮索しない---
そんな良牙の性格に今はただ、感謝だな…と思ってしまった。
説明するのが難しいし…



