「いらない。私一人で何とかなるよ」
この気から察するに、獣の遺伝子を持つ者の気はいない。
それなら私一人でも、どうって事はないだろうとふんだんだけど…
「………」
「恢?」
今だ動かず相手の出方をジッと待っている恢に少しだけ顔を向けた、………時だった---
「来たぞ!」
「恢、ここで戦ったらあなたがこの辺りで住んでいる事がばれちゃうよッ!」
「その時はその時。お前を置いて行く事は出来ない」
スッ---
バキッ、ガッ…
私の視界から消えた恢が近づく黒服の男へと一瞬にして叩き伏せた。
一瞬息を吐いて、恢とは間逆に迫る男へ私も立ち向かうべく地を蹴り上げる。



