雨音とたまに横を通り抜ける車の音がするだけの静かな裏通りで殺気立つ気配を感じ、私と恢が立ち止まる。
ずっと私の事を待っていたようなその気配はジッと動かず、私の様子を伺っているようだ。
40…
ううん…、50人程?
恢も即座に感じたようで立ち止まったと同時に前を睨みつけるようにしながら、いつでも襲われてもいいようにそのままの体制で戦闘態勢に入る。
私もどこから来てもいいように四方八方に気を巡らせた。
「恢……、これは私を狙っている……のよね?」
「そうだな。………ま、加勢してやるから安心しろ」
周りに聞こえないようにだろう…
低く呟くようにそう言う恢に私は首を緩く振る。
それにしても私はいつからつけられていたんだろう?
学園を出た時からならすぐにその気配を掴む事が出来るんだけど…
多分、私は恢の事を考えていて周りを見るゆとりがなかったんだろうと踏んだ。
情けない---



