恢は学園にいた時よりも、今の生活に満足しているのはその表情ですぐに分かった。
それに月夜さんとのやり取りを見ても、学園が嫌だったとは感じない。
今までずっと、一条製薬に捕らわれていた恢。
それが今では自由に生きる事が出来ているが…
でもそれは、つかの間の自由なのか?
それとももう、
研究所に捕らわれる事なく生きる事が出来るのか---
蓮の父親が貴重な変身人間を、ずっと野放しにするとは到底思えない。
恢の寿命は変身する度、徐々に磨り減ってしまうから蓮の父親に見つからずにこれからもこうして生きていって欲しい。
そう願い私はカップに口をつけ甘いコーヒーを飲み干すと、ニコッと恢に笑みを向けた。



