「ねぇ、恢」
「………」
恢を呼ぶとすぐに視線を月夜さんから私へと移動し、黒い漆黒の瞳が見つめてきた。
カチャッ---
持っていたフォークをお皿に置き、恢に微笑む。
「恢は今、幸せ?」
私の言葉に驚きに目を見開いた。
学園にいた頃の恢は、あまり幸せそうではなかった気がする。
どこか冷めたような、それでいて寂しそうな瞳をしていた。
でも、今は---
以前よりはずっと生き生きとした瞳になっていて思わず、その言葉を零してしまった。
恢の表情は暫くそのまま固まっていたけどそれが序々に変化していき、そして口元を上げ笑みを浮かべた。
それが凄く眩しく感じた私は、少し瞳を細めながらも恢を見つめる。



