紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



「恢はこれからもずっとここにいるの?」


「さぁ…な」


「あら、行くところがないのならずっといて欲しいくらいだわ」


「月夜さん…」



月夜さんの言葉に恢は戸惑った表情でいると、そんな恢にフフッと笑ってみせた月夜さんはやっぱり綺麗だなと…


話しとは関係のないところで思ってしまった私がいた。




二人はまだ知り合って数ヶ月だと言うのに、まるで長年一緒にいるように見える。


こんな綺麗な女性なんだから、恢はもしかして好きになった?



目の前で仲良く話している二人を見ながら、寂しい気持ちが胸の辺りから流れ込んでくる。


でもその気持ちはほんの少しで、私の心は恢に会えた事でふんわりとした温かさが包み込んでいた。