紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



「出来たぞ」



目の前に置かれたのは黒いコーヒーカップ。


そしてその中には、生クリームが浮かんでいるコーヒーだった。



ほんのりとコーヒーの香りと一緒に甘い生クリームの匂いが鼻腔を擽り、本当に美味しそう。




「恢、ありがとう。凄く美味しそうだね」


「………」



フッと口角を上げながら今度は目の前に、チョコレートケーキを置いてくれた。



あれ?


凄く美味しそうだけど私、頼んでないよ?




「恢?」


「オーナーからだ」


「えっ?」


「綾香ちゃん、このケーキはこの店自慢のケーキなの。もし良かったら食べてね」


「うわぁ、ありがとうございますッ」



ニコリと微笑む相沢さんにお礼を言いさっそく差し出されたフォークを手に、一口サイズにしてケーキを口元へと運ぶ。




うわぁー…


口の中ですぐに蕩けるしっとりとしたそのケーキに感激し、目を見開いた。