「出来たぞ」
目の前に置かれたのは黒いコーヒーカップ。
そしてその中には、生クリームが浮かんでいるコーヒーだった。
ほんのりとコーヒーの香りと一緒に甘い生クリームの匂いが鼻腔を擽り、本当に美味しそう。
「恢、ありがとう。凄く美味しそうだね」
「………」
フッと口角を上げながら今度は目の前に、チョコレートケーキを置いてくれた。
あれ?
凄く美味しそうだけど私、頼んでないよ?
「恢?」
「オーナーからだ」
「えっ?」
「綾香ちゃん、このケーキはこの店自慢のケーキなの。もし良かったら食べてね」
「うわぁ、ありがとうございますッ」
ニコリと微笑む相沢さんにお礼を言いさっそく差し出されたフォークを手に、一口サイズにしてケーキを口元へと運ぶ。
うわぁー…
口の中ですぐに蕩けるしっとりとしたそのケーキに感激し、目を見開いた。



