紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



「いらっしゃいませ」


「あ、こんにちは」



にこやかに微笑むその表情に引き込まれるように、その女性に見入ってしまった。


そんな私を見て不思議そうな顔をしたその人はキョトンとした後、恢へと顔を向ける。




「あら?もしかして恢の知り合いなのかしら?」


「はい」


「そう、こんにちは。私は相沢 月夜、ここのオーナーよ。あなたは?」


「えっと、九門 綾香です。帝星学園に通ってます」


「そう、よろしくね。それより制服を着ているから高校生なのは分かっていたけど……。恢」


「………はい」


「成人しているのかと思ってたけどあなた、もしかしてまだ未成年?」


「………」



何の返答もしない恢を一瞥したその女性…、相沢さんは大きくため息をついた。




もしかして恢…、年齢をごまかしていたのかな?。


だったら私がここで、恢は未成年じゃないと言った方がいい?