「オーナーが一人いる」 「そっか…。ね、このお店の名前なんだけど『月輝』って何て読むのかな?」 そう…、私は京極さんから聞いたのはこの店の場所とカフェをやっていると言う事だけ。 だから店の名前までは聞いてなかったんだけど、『月輝』なんてどう読むのか分からない。 うーん、何だろう? ルナ?ツキ? ゲッキやツキテルなんて、それこそ全然違う気がするし… 「あぁ、それは…」 「ただいま~」 恢の話しを遮るように、店の奥で扉の開く音と共に女性の声が聞こえてきた。