コクン…と、頷きながら思う事は…
高校生の私がこんなに大人っぽい店に入るのはどこか気が引けるな…、と言う事。
でもその思いを押し込めて、ゆっくりとカウンターに向かった。
カウンターも周りのテーブルもこげ茶色の木目で店内とマッチし、しっくりと落ち着く。
促された椅子へと座り、目の前にいる恢に口を開いた。
「………それって変装………だよね?」
「あぁ。変身人間は恰好の研究材料だ。見つかれば研究所を爆破した俺は、以前とは比べ物にならないくらいの扱いを受けるのは目に見えているからな」
「そっか…」
一条製薬から逃げる為に、だから恢は学園から消えたんだね。
戻ったらきっと、一条製薬に連れ戻されてしまうんだろう…
蓮は何も言ってこないけど、一条製薬はまだ恢を探しているのかな?
…ってそうだった。
蓮はあの父親から勘当されてたんだっけ---



