紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



「綾香…」


「久しぶり。…元気だった?」


「何でここに?」



その言葉にどう答えよう…


京極さんから聞いたと言ったところで、恢は京極さんなんて知らないかもしれない。


それに人から聞いてまで恢を探していたなんて、おかしいよね?




結局考えて出した答えは…




「偶然…だよ」


「………」



私の答えに変わらないメガネの奥にある、漆黒の瞳が私を見据える。


それはまるで、私のウソを見破るかのように…


ううん、もう見破っているのかも?



何かちょっと恥ずかしいなと、視線を少し横に向けた。




ドンッ…---