紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~



なんだか…、


いつもの飄々とした態度ではない恢が可笑しくて、思わず口元が緩んでしまった。



久しぶりに会う恢はさっきまでは全然別人に見えたけど恢本人だと気付くと途端、全く変わっていないなぁ…と思ってしまったのは少々私は現金なのか---




ただ少し変わったところを上げれば髪の毛をガッチリと固めているからなのか以前も大人の雰囲気を持っていたけど、その時よりも格段と大人になった…ように感じた。


それにメガネをしている…と言うたったそれだけなのに、真面目そうに見えるその姿は同一人物なのに全く違って見える。




先程、吐息程小さく呟いた声なのに恢の耳に届いたって事は、やはり獣の遺伝子の成せる業だね?




そう思いながらゆっくりと、恢に向かって歩き出した。


恢とはほんの少しの付き合いになのに、近づくたびに感じる懐かしさに込み上げてくるものを感じて…




目頭が熱くなる---