あれから5年。

俺と有空は、相変わらず電車の中。

…前のようにはゆったりと出来ない車内…。

俺たちは無事に高校を卒業して、今や社会人。

俺と有空は成績優秀だったからか、東京の大企業に雇われている。

…でも、有空と同じ会社ではなく…。

少し離れた会社…。

「空流?…電車酔いした?」

なんて可愛いんだろう?

5年経った今でも、有空のモテっぷりは相変わらずで…。

電車内で、告白までされてる。

…いや、年に5人までならいいよ?

…有空の場合は、度を超えて過ぎてる。

週に2回のペースで進んでいる。

しかも、年齢層が幅広い!

ちっちゃい子…6歳位の子…から、60さいのお年寄りまで…。

特に多いのは、高校生!

いや、ませてるにもほどがあるぜ!

一番驚いたのは、6歳児だったけどな!

「…有空…俺の事好き?」

俺は有空の…『好きだよ』その一言を聞きたかったのに…。

「………、愛してるよ」

真っ赤な顔で俺に呟く有空。

周りの男は、赤くなる。

そりゃ、可愛いもんな!

でもだよ?

何この車両!

男ばっかじゃねーか!!

そう、この車両、男専用…な訳じゃない!

それなのに…、有空を見るためか、なんなのか知らんけど!

男ばっかなんだよ!

キモい!

そして、

「…気持ち悪い…」

「大丈夫?…もうすぐでホームだから我慢してっ?」

泣きそうな顔で、オロオロしてる有空。

違うでしょ?ありたん。

俺は有空を見るためだけにこの車両に乗ってるませガキや、エロ親父…、スケベじじぃ…などに、

気持ち悪い。

を、贈ったんだよ?

有空はモテてるのを気付いていない。

「…有空…、大きな声で俺に『愛の告白』して…?」

俺、知ってんだよ?

潤んだ目で上目遣い…されるのが弱いって!

漬け込むつもりは無いけど、どうしてもかましてやりたいんだよ!

「えっ…?…こ、こ、ここでっ?」

段々と赤く染まる有空の頬。

「…駄目?」

これは有空には必須だ!

これをやれば…断れない!




「…、そ、空流のこと…誰よりも、愛してるからっ!」



有空は真っ赤な顔して、俺に抱き付いた。


「うん。俺も愛してるよ?」



俺は、周りに見せびらかすようにして抱き締めた。



俺にだって、少し位…

有空のこと苛めてもいいよね?