「そっか、急にこんなこと言われても分かんないよね。
ごめんねー、つぐみちゃんに会えたのが嬉しくて、つい!」
「いえ、それは……」
「ずっと気になってたのよねー。
二人の会話に何度かつぐみちゃんの名前出てきてたから。
どんな子なんだろうって」
会えてよかったー、と言いながら笑顔を見せるあかりさん。
二人って……
「あの、二人って……」
「え?ああ、涼と女の子よ」
「女の子……?」
なぜかザワザワと胸騒ぎが始まる。
少しでも落ち着けようと胸の前にそっと手を置いてみた。
あかりさんは特に気にした様子もなく話を続ける。
「名前は知らないんだけど。
あの子、ちょっと前までその女の子にしつこく付きまとわれてたみたいでさ」
「え……」
「ある日、とうとうその子が家まで来て。
家の前で二人が話してるの聞いちゃったのよ。
あ、偶然よ、偶然。
ちょっと面白そうだから盗み聞きしよう、とか思ったわけじゃないよ!うん!」
……面白そうだったんですね。
慌てて弁解をするあかりさん見ながら、心の中でそう呟く。
「そしたらその子との話の中につぐみちゃんが何度か出てきてさー」
「その子は今は……」
「今は何もないらしいけど。
アイツ、結構キツく言って追い返してたからね」
アイツが女の子相手にあんな態度とるの珍しいよ、とあかりさんは言う。

