「つぐみちゃん……?
え、つぐみちゃん?」

「はい、つぐみですけど……」


パチパチ、と何度か瞬きをした後、あかりさんはあたしの手を両手で包み込んでブンブンと勢いよく縦に振った。


「本当につぐみちゃん!?
まさか本人に会えるなんて……やっぱりこれは運命ね!
運命としかいいようがないわ!」

「あの、あかりさん?」


あかりさんはなぜか嬉しそうにあたしの手を振り回す。


「あたしのこと、知ってるんですか?」


そう聞けば、あかりさんは大きく頷く。


「涼とあの子の会話に何度か名前出てきてたからさー。
気になってたのよね」


涼?……って、瀬戸?

あの子って……?

訳が分からずに首を傾げると、あかりさんはようやくあたしの手を解放してくれた。