「知ってるかなー。
でも同じ学年でもクラス同じにならなきゃそんな接点ないしねー。
瀬戸涼っていうんだけど、知ってる？」


…………え？

………瀬戸？

……瀬戸！？


「なーんてね。
いくらなんでもそんな偶然……」

「瀬戸の……お姉さんなんですか？」


驚きながらもそう尋ねると、お姉さんは大きな目をパチクリさせた後に嬉しそうに笑った。


「知ってる？」

「はい。
同じクラスで……」

「あ、そうなんだ！
いやー、もうここまでくると運命ね。
会うべきして会った、みたいな。あたし達」


うんうんと頷きながら一人納得するお姉さん。

明るいお姉さん……確かにどことなく瀬戸に似ている。


「あたし、瀬戸あかりっていいます。
よろしく！」


あかりさん……名前がここまでよく合う人を初めて見た。


「平野つぐみです、お願いします……」


何だかよく分からないけど、自己紹介する雰囲気だったのであたしも名前を告げる。

すると、あかりさんはなぜかあたしの名前を聞いてすごく驚いたような顔を見せた。