お姉さんはにっこり笑いながらハンカチをカバンにしまう。

そして、あたしを見て少し驚いたような表情を見せる。


「あれ……その制服」

「制服?」

「ウチの弟と同じ学校だ。
うわー、偶然!」


お姉さんはそう言うと、嬉しそうに更に口を開く。


「あたし、弟がいるんだけどね。
今、高校生の。
このハンカチ、弟が誕生日にくれたものなのよー。
いやー、よかった。
本当にありがとうね!」


初対面のあたしに臆することなくペラペラとよく口が動くお姉さん。

すごいな、と思いながら喋り続けるお姉さんを見る。

あたしもこれぐらいのコミュニケーション能力があれば……とか思いながらお姉さんの話を聞く。


「いやー、それにしても制服っていいわ。
あたしももう少し着てたかったなー。
ま、今着たらコスプレになっちゃうから着れないけどさ」


あはは、と笑うお姉さんに合わせてあたしも笑顔を浮かべる。

何だかとても感じの良さそうな人。


「そういえば、あなた何年生?」

「二年生です」

「え!そうなの?
やだ、本当に偶然!
ウチのも二年生なのよー」


そう言いながらカラカラと明るく笑うお姉さん。