「何?そのモテ期は」


その日の帰り道。

偶然会った亜美に今朝あったことを話せば、少し呆れたような表情でそう言われた。


「あたしだって分かんないよ……」

「去年同じクラスだった時は何もなかったのに。
何で離れた途端にこんな面白そうなことが起こるかねー」


面白そうって……。


「てかさ、そのことつぐみのそのー……前に話してたラブレター?を頼んできた友達は知ってるの?」

「結衣?知ってるわけないじゃん。
そんなこと言えないよ」

「まぁ、そうよねー。
あなたの好きな人が私に迫ってきてます、なんて言えるわけないか」


あはは、と朗らかに笑う亜美。

とてもじゃないけど今のあたしはそんな風に笑えそうにない。


「にしてもさ、今でも意外なのよねー。
瀬戸がつぐみのこと好きって」

「あたしだってビックリしたよ」

「瀬戸ってさ、なんか見た目的にチャラチャラしてそうじゃん?
女の子とかも取っ替え引っ替えしてそうだけどさ。
今思えば浮いた話なんて一つも聞いたことなかったし。
ああ見えてそういうことには案外真面目なのね」


チャラチャラ、か。

確かにそう見える。

いつもヘラヘラして、何か軽い印象を与えてくるけど。


でも……