瀬戸は大きな声をあげながらあたしから離れた。
「えっ、ちょっ、痛いんだけど!
つぐみちゃん、めっちゃ痛い!!」
「離してって言ったのに離してくれないから!」
「ごめんって!
あれ……あれ!?
もしかして、今のって拒絶!?
拒絶じゃないよね!?
そうじゃないって言ってよ、つぐみちゃんー!」
俺さっき拒絶されるまではって言っちゃったじゃん!
と、一人で騒ぐ瀬戸。
そんな瀬戸を放置して、あたしは水谷君と向き合う。
「ごめんね、水谷君」
「え?」
「返事、また今度って言われたけど。
でも、やっぱりあたし……このままズルズル引きずっても何も変わらないと思うの。
だから……」
あたしがそこまで言うと、水谷君はクスッと小さく笑った。

