どうしようか……。

知らないフリをしてこのまま捨てようか。


ちょいちょいと飛び出たゴミをつつくけど、中に収まる気配はない。


「……いいや」


このまま捨てよう。

そう思って立ち上がると、後ろから誰かの足音が聞こえた。

誰かあたしと同じように日直の人がゴミを捨てに来たのかな。


そう思って振り返ると……そこにいた人はゴミ袋らしきものは一切持っていなかった。


「……瀬戸」


瀬戸はあたしを見て小さく笑みを浮かべると、片手をあげてこっちに近寄ってきた。


「何?どうしたの?」

「今日、つぐみちゃんが日直だったなーと思って」

「思って?」

「もう一つ捨ててもらいたいものがあってさ」


捨ててもらいたいもの?

あたしが首を傾げると、瀬戸はあたしに便せんに入った手紙を見せた。


「それ……」

「つぐみちゃんの机の中に入ってた」

「は!?」


思わず大きな声を出してしまった。

だ、だって……だって!