「あ、あかりしゃん…!?」


ぷにっと軽く痛くないように頬をつまむあかりさん。


「嘘。
元気なさそうな顔してる。
つぐみちゃんの笑顔はそんな作り物みたいなものじゃないの、知ってるよ」


まだ数回しか会ったことのないあかりさんにまで言われるとは……。

広里君に言われた通り、相当酷い顔してるのかな……あたし。


「何かあったの?
おねーさんでよければ話聞くよ?」


あたしの頬から手を離し、柔らかく微笑むあかりさん。

だけど、あかりさんの弟である瀬戸が関与してるあたしの悩みをあかりさんに打ち明けるなんて……

なんて言ったらいいのか分からなくて、悶々と考え始めるあたし。


「じゃあ、あたしから。いい?」

「え?」

「涼と何かあったの?」

「うぇっ……!?」


ピンポイントでその話題を出されてたじろぐあたし。

そんなあたしを見てあかりさんは小さく笑う。