「はぁ……」


結局、あまり気分が晴れないままあたしは自由時間を終えた。

一日目、最後の一時間だけあたしはシフトが入ってる。

本当は午前中だけだったんだけど。

他校の彼氏がその時間に来るから、という女の子に頼まれて代わってあげた。


一時間。

一時間だけだから、何とか笑顔で乗り切ろう。


そう思いながら接客をする。

だけど、終了間近ということもあって昼間ほどお客さんはいない。

だから少し暇。


「平野」


お客さんがあまりいないことをいいことに、あたしは裏でこっそり少し休憩。

そんな時、広里君もエプロンをつけたまま裏にやってきた。


「なんか顔、酷いな」

「生まれつきなんで、大丈夫です」

「あぁ、確かに元々こんなんだった気も……」

「ちょっと!否定してよ!」


広里君は声を抑えてクスクス笑う。


「ていうか、広里君もこの時間シフトだったっけ?」

「平野と同じ。
代わったんだよ。
涼がどうしてもって言うから」