みんながお昼を食べに行ってしまったため、誰もいなくなった教室。
しーんと静まり返る教室を眺めながら、あたしは床に腰を下ろして壁にもたれかかる。
準備途中のため、物が散らかった教室。
「明日なのか……」
明日は亜美と。
そして二日目は水谷君と回る約束をしてる。
……でも、本当にこれでいいのかなって少し思ったり。
水谷君の誘いを受けたのは半ばヤケクソだったし……何だか申し訳ないなって。
「はぁ……」
ため息をついて頭を壁につけたまま天井を見上げる。
結衣……嬉しそうだったな。
結衣のあんな笑顔を見れてあたしも嬉しいはずなのに……フクザツ。
……けど、結衣と瀬戸が幸せなら。
……ううん。
本当はそんなこと思ってない。
……本当は……もう一度
もう一度だけでいいから……瀬戸に笑顔を向けてもらいたい。
そう思っている自分がいる。

