「……ホント。
男ってよく分かんない。
あんなにつぐみのこと追いかけてたのに、コロッと心変わりするなんて」


リホが冷めた目で二人を見やる。


「……でも、あたしは元々こうなることを願ってたから」

「はぁ?何言ってんの?つぐみ」

「……よかったんだよ、これで」


心にも思ってないこと言ってるって、リホはすぐに察したらしく呆れたようにため息をつく。


「つぐみって相当なバカよね」

「え、」

「……バカなのはあっちも一緒か」


あっち、と言いながらリホは瀬戸へと視線を移す。


「バカ同士お似合いだったんだから、早くくっつけばよかったのに」

「バカバカって、リホさん……」


地味に傷つくんですけど……。


「ま、今更何言ったってしょうがないか。
とりあえず、授業始まるまでに顔洗ってきたら?
相当酷い顔だから」


そう言いながらリホは笑ってポンッとあたしの頭に優しく手を載せる。


「……うん。そうする」


ありがとう、と言いながらあたしはゆっくりと腰を上げた。