教室に戻って席に着くと、あたしはすぐに机に顔を突っ伏した。


胸が締め付けられるように痛い。

ギューッと誰かに思いっきり握りつぶされているみたい。


……瀬戸にスルーされたことがこんなにショックだなんて。


今まで気がつかなかった。

瀬戸が話しかけてくれるのが当たり前だと思っていた。


……話しかけないでって言ったのはあたし。


それがこんな苦しいことだなんて……。


……知らなかった。


「つぐみ?」


頭上から声が聞こえてきて、あたしはゆっくり重い頭を上げる。

すると、リホが心配そうな顔であたしのことを見つめていた。


「顔、酷いよ?」

「……元々こんな顔です」

「……ま、原因は何となく分かるけど」


そう言いながらリホは視線を別のところに向ける。

リホの視線の先。

……楽しそうに話す結衣と……瀬戸の姿。