途中で亜美と別れて教室まで続く廊下を一人歩く。

ちょっとだけモヤモヤした気持ち。


気持ちを切り替えようと、今日の授業科目を頭に思い浮かべてみる。

けど、今日は一週間で一番最悪な授業の組み合わせだったことに気付いてまたテンションが下がる。


ダメな日はとことんダメなのかもしれない。


朝から陰気なオーラを一人背負って歩くあたし。

周りはいつもと変わらないのに。

あたしだけいつもと少し違って。

何だか少し変な感じ。


「あ……つぐみ」


教室の扉を開ける寸前で後ろから名前を呼ばれる。

振り返れば、結衣が何だか浮かない顔で立っていた。


「結衣。おはよう」

「おはよ……あの、つぐみ……」


いつもと違う結衣の様子。

もしかして、結衣も瀬戸のあの噂聞いたのかな。

だから少し元気がなくて……。


「……つぐみ、ちょっと来て!」

「え?ちょっ、結衣!?」


教室に入って荷物を置くことさえできずに、あたしは結衣に腕を引っ張られていく。