「じゃあさ、後夜祭が始まる時間になったら教室に来て」
「教室?うん、分かった」
「はー、楽しみ。
早く後夜祭にならないかなー」
文化祭、じゃなくて後夜祭。
……昼間は、日中は誰と過ごすの?
なんて聞いたら瀬戸を困らせてしまうかな。
そう思うとなかなか言葉に出せなくて。
「瀬戸ー、あのさー」
そこへ通りすがりの男子が瀬戸に声をかけてきた。
「おー、山っち」
「この前の遊びの話なんだけどさ、あれ結局どうなったんだよ」
「あー、あれね。
ごめん、つぐみちゃん。先戻ってて」
「うん、分かった」
瀬戸の抱えてるペットボトルも持って行こうか?って聞いたけど、大丈夫だよってやんわり断られた。
だからいちごオレだけを手にしてあたしは一人教室へと戻っていく。

